職人体験記

『renwoodworks-木工房 木蓮-』が提案するフルオーダーテーブルとは。

更新日:

食事や家族団欒の際、何気なく使っているダイニングテーブル。
食器と同じようにテーブルも、デザインによって食べ物の味まで変わるように感じますね。
レンウッドワークスの荒川さんが提案するフルオーダーテーブルは他のオーダーテーブルと一味違う模様。
その全貌を取材してきました。

本当のフルオーダーテーブルとは一体どんなテーブル?

ーーフルオーダーテーブルについて教えてください。

僕が作るテーブルは「世の中にこれしかない」という家具です。
フルオーダーの家具は本当に珍しいもの。
だからこそ「本当のフルオーダー家具とはこういうものだ」といえるものを考えて作っています。見ていただければ違いがわかると思います。
 

ーー確かに見たことがないデザインです。
デザインは全てお客様との打ち合わせで決めていくのですか?

そうですね。打ち合わせは、まず四角の大きな板を持ってお客様のご自宅に伺わせていただきお話しします。
この板は、デザインを考える時に直接描きこんでいくのに使うんです。
お客様によっては「大きなテーブルが欲しい」というご要望もあるので、そういった時にも対応できるよう、プラスアルファの板も持っていくんですよ。
 

ーーサイズ、形が一から決められるほか、塗装もオーダー可能なのでしょうか?

基本的に自然塗料か漆塗りをご提案していますが、その他もご相談いただけます。
木材も選択可能で、本当にすべてお客様のご希望どおりに製作しています。

これは前回製作したときのお客様の型です。
 

ーーすごい!聞かなければテーブルのデザインだとはわかりませんでした。

今回のお客様は、形はもちろん、この切り抜かれている部分がポイントです。
お客様がお持ちのフロアライトをここから通して食卓を照らせるようにデザインしています。
 

これは実際にお客様に納品したときの写真です。
 

ーー驚きのデザインです。この尖っている部分も気になります。

これはお客様のイメージからデザインしました。
僕自身もこうして尖らせるデザインが好きなので、お客様とお話しながら形や角度を一緒に考えていきました。
 

ーーこれだけお客様の意見を反映して作られる家具は本当に珍しいですね。

天板以外にもレッグ、幕板、全てこだわりぬかれたテーブル

ーーレッグもオーダーで作れるのですか?

レッグも作れます。今、使っているのは「四方転び」という脚で、脚を少しだけ中心方向に傾けたデザインです。そうすることで造形的にとても綺麗になります。
僕の場合、4度だけ傾けて作っています。この角度は僕が作る天板との相性が良いですね。
 

ーーレッグにもこだわりをもって作られているのですね。
他にも特徴的な部分があれば教えていただけますか?

この幕板部分ですね。テーブルを下から見てみてください。
僕の作る幕板は結構特殊で、クロスしているんです。
 

幕板は普通、脚を囲むように作られます。でも、クロスにすることで座る時に足に当たることもなくなり、構造的にも実用的にもよくなるというデザインです。
 

ーー実用的な構造ですね!他にもこだわり部分はありますか?

他には構造体も考えて作っています。
木材は収縮と膨張を繰り返すので、固定すると割れてしまいます。
このデザインでは天板と幕板は完全に固定せず、動くようになっています。
その動きがあるおかげで収縮と膨張が起きる際の抵抗が減り、割れないという設計です。
「フルオーダーで一生使える家具」を具現化させたテーブルを作りました。
 

気になるお値段、そして「チギリ」とは??

ーーこのテーブルをオーダーするとしたら、製作費はどれくらいですか?

1800×900mmの大テーブル規格サイズで28〜32万円くらいです。
東京都内への送料と税込の価格になります。素材や大きさなどによっても変わります。
 

ーー無垢材を使って、その価格ですか?

もちろん総無垢です。
無垢材だけで製作するのは僕がこだわっている部分の一つですから。
 

ーーこのテーブルは天板の節が綺麗ですね。天板の木目まではオーダーできないですよね?

節をある板を使うことは可能です。詳細はお客様にヒアリングして決めます。
僕は節があった方が好きなので、つい節有りをオススメしてしまいますけど。
オススメはしますが、節の感じは板ごとに違うので、実際に板を見せてお客様に判断してもらっています。
 

ーー節を入れるかどうかまで選べるなんて、オーダーするのが楽しくなりますね。

例えばこのテーブルはブラックチェリーという木材で、ガムポケットが特徴です。
ガムポケットとは、樹木が成長するときに細胞の隙間に滲み出た樹脂が固まった部分のことで、これが人気なんです。
ただ、ガムポケットのある板は珍しいので、割高になってしまいますね。
 

ーーここまでオーダーできたら、割高になってもいいかなと思ってしまいます。

あとは、僕は割れが入った木材が好きなんです。普通はあまり使わない部分だと思いますが。僕は使いたくて「チギリ」を入れて加工します。
 

ーー「チギリ」とはなんでしょうか?

これが「チギリ」です。
割れている所にこのチギリを入れることで割れを防ぐことができます。
僕はこのチギリを入れたくてお客様に提案することがあります。別料金はいただきません。
 

ーー別料金がかからないのですか?

そうです。割れがなくてもアクセントになってデザイン性も向上します。
僕の場合、テーブルの端の方に入れ、わざとしっかりはめ込まずに浮いているようなデザインにしています。
 

ーーそうする理由はなんですか?

単純に、かっこいいと思うからです。笑
もちろんテーブルの真ん中や邪魔になる部分にはそういう加工はしません。
テーブルの端だと邪魔にならないんですよね。
浮かせることでテーブルから生えてきたようなデザインになり有機性を感じます。
割れは欠陥だけど、あえてその欠陥を活かしきる感覚が好きです。
ただ、チギリは無理には入れません。お客様にしっかりヒアリングしてから決めますので安心してください。
 

ーーこの「チギリ」を天板に含めるのもアクセントですね。

実は角度にこだわりがあり、「14度」が僕の作る家具にあっていると思っています。
この角度じゃないとダメで、今まですべてこの「14度」でチギリを作っています。
とはいえ絞りすぎもよくないので、強度とデザインのバランスが取れるところにすり合わせていきます。

最後に読者の方へ、荒川さんから一言

ーーフルオーダーテーブルがほしい方は、ぜひ相談して欲しいですね。

相談からでもいいので、ぜひお話しさせてください。
デザインの希望は漠然としていてかまいません。そういうお客様もいらっしゃいます。
お客様のご意見を伺い、僕からデザインを提案することもできますので、少しでも興味のある方はご連絡いただけたらと思います。
もちろんメンテナンスもしていますので、何かあった時はすべて対応いたします。

フルオーダーテーブルのご紹介ありがとうございました!
お問い合わせは下記renwoodworks-木工房 木蓮-HPまで。

-職人体験記
-

Copyright© インテリアショップ体験記 , 2024 All Rights Reserved.