職人体験記

工房取材!『BUTLER』森井さんにインタビュー! 『執事のように寄り添う家具を目指す家具職人』

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「BUTLER」工房訪問記
今回はBUTLERを訪問し、森井さんに色々なお話を聞いてきました!
BUTER=執事。工房のコンセプトである寄り添う家具とは!?とても興味を惹かれますね。是非ご覧ください!

目次
 
・森井さんが職人になろうと思ったわけ、そして工房を始めたきっかけ。
 
・独立の準備を整え、まず始めにしたことは奥様の説得!?
 
・僕にしか作れない家具、デザインを形するお気に入りの家具。
 
・取材を受けていただいて森井さんから一言。

【森井さんが職人になろうと思ったわけ、そして工房を始めたきっかけ。】

ーーいつから始められた工房なのでしょうか?

2017年9月18日です。今年の9月でちょうど3年ですね。


 
ーーどういう経緯で職人になられたのですか?

教育大学の木工科で木工のノウハウや技術、基本的な機械の操作なども在学中に習いました。その知見を生かして店舗什器などを作る会社の職人として働き始めました。

ーー教育大学に木工科があるのですね。もともと木工に興味を持っていたのですか?

大学に入ってからは立体のファインアートに惹かれて彫刻を勉強していたんです。勉強していくうちに「日常で使えるモノを作りたい」と思うようになっていきました。卒業してからは木工科の研究生になり勉強しました。


 
ーー彫刻のアート性よりも日常にも使える機能性に惹かれたのですね。
そう思うようになったきっかけを教えていただけますか?

大学の時、丸太を使って自由に作品を作る彫刻の授業があったんですね。
彫刻の授業だったのに、僕は丸太で椅子を作ったんです。その時に「見るだけじゃなくて使えるモノってすごく良いな」と思ったのがきっかけです。

ーー彫刻の世界から、機能に興味を惹かれて家具の世界に入られたのですね。
卒業後から今までの経歴を教えていただけますか?

最初はフラッシュ家具と呼ばれるベニヤを使った家具を扱う会社で3年ほど、主に店舗什器や衣料関係の家具を作っていました。その後ウッドユーライクカンパニーという木工家具の職人として9年務め、木工工房BUTLERを立ち上げました。


 

【独立の準備を整え、まず始めにしたことは奥様の説得!?】

ーー職人をされている中で、辛いと思った経験などはございましたか?

最初の3年は辛いことが多かったですね。
できることも少ないので上手くいかないし、失敗もたくさんしました。その時は落ち込みましたが、頑張って続けていればできるようになってきて、職人として一通りのことができるようになった時はうれしかったですね。

ーー継続は大事ですよね。そこから独立しようと思ったきっかけを教えてください。

以前の職場を離れてから1年間は工房を立ち上げる準備をしていました。
その間に出会った物件のなかで、ここの立地や間取りが自分の理想ととても近く、「今しかない」と思いました。


 

ーー独立するには準備が必要ですよね。

先輩方に生計の立て方や運営方法などを聞いて事業計画を立てました。
そしてまずは妻の説得からですね。笑

ーー奥さまですか!笑。確かにそうですよね。
やはり独立したての頃が一番大変でしたか?

やはり収入がないのは一番苦しいので、独立してから最初の1年は大変でしたね。
とりあえず半年は収入がなくても生きてはいける蓄えを持ってスタートしました。
ですが毎月売り上げの波もあったので、生活するのもギリギリでした。

ーーその辛い時期はどうやって乗り越えられたのですか?

もう「情熱」の一言ですね。
お客さまの為に、どれだけ徹夜しても「絶対終わらせる」という気持ちでやっていました。
独立すると誰も守ってくれませんからね。その分やりがいも大きいのでモチベーションは常に高く持つことはできました。

ーーやりたいことのために本気でやるという思い、素敵です。
現在は、どこから依頼いただくことが多いですか?

近所の方や、ホームページやSNSを見て来られる方もいます。
その中でも意外と近所の方からご依頼をいただくことが多いです。
オーダー家具は安いものではないので、実際にお店に来て商品などを見てもらっています。


 

【僕にしか作れない家具、デザインを形するお気に入りの家具。】

ーーデザインやこだわりを気に入ってくださっているという証拠ですね。どのようなこだわりをもって物作りをしていますか?

一番こだわっている部分は、僕にしか作れない家具、デザインを提案することです。
お客さまが10の依頼をされたら、15、20になるような、期待以上のモノを返せるようにと思ってデザインや機能性を考えています。
デザインのこだわりは、使いやすさと飽きがこないつくりです。
デザイン性が高すぎても使いやすさがなくなってしまうし、シンプルすぎてもありきたりになってしまうので、「シンプルで使いやすいデザイン」というコンセプトで物作りをしています。
工房の名前である「BUTLER(執事)」のように、生活に寄り添える家具を作りたいですね。

ーーありがとうございます。
次に森井さんのオススメの作品を紹介していただけますか?

そうですね。まずはこのキャビネットがおすすめのアイテムです。


 

ーーこちらのキャビネットのこだわりを教えていただけますか?

引き出しと引き戸の動きに特にこだわりました。
実際に触ってみてください。


 
ーーえ!こんなにスムーズに動くものなんのですか?

木製の家具は膨張と収縮を繰り返すので、どうしてもスムーズに動かない場合もあります。でも、僕はこの動きになるよう特にこだわりました。
一つの場所だけではなく様々な細かい箇所に気を遣い仕上げています。

ーーこれだけスムーズだとストレスなく使えて良いですね。
デザインのこだわりはあるのでしょうか?

角張ってないデザインに仕上げています。
丸みがあるような見た目で、視覚的にも楽しめるイメージで作っていますね。


 
ーー実際に見るとわかります。一見シンプルですが、細かいデザインにもこだわっていますね。

前板と側板の「蟻組み」にも注目してほしいです。見た目がとても綺麗で、機能としてもデザインとしても成立するんです。引出しを閉めると隠れますが。
このような細かい部分は、実際に見てもらうと一番良さが伝わります。
ぜひお店に来て、触っていただきたいです。

※蟻組みとは引出しの前板と側板を接合するときの代表的な組手。 組み合わせる事により反りを止め合い、強度のある接着になります。


 
ーーこういうこだわりや機能は触ってみると実感いただけるので、実際に見て欲しい家具ですね。どのような素材を使って作っているのですか?

裏板や引き出しの底板は合板を使いますが、それ以外は無垢材を使っています。

ーーキャビネットの塗装がとても綺麗ですね。
塗装はすべて工房でされているのですか?

塗装もすべてやります。
ただこのキャビネットは塗装ではないんですよ。

ーーえっ!?ではどのようにして色合いをだしているのですか?

「鉄染め」といって、木のタンニンと鉄分を反応させて発色させる技法です。
これは着色ではなく鉄媒染というやり方です。塗装と違い、木に染み込ませて発色させているので剥がれないという特徴があります。
そして自然な色合いが生まれます。

またこのキャビネットはオイルフィニッシュと呼ばれる仕上げです。
使っているうちに手が触れる部分はどうしても汚れてしまいます。でもオイルフィニッシュにしておくと、自分でも簡単にメンテナンスできるというメリットがあります。
メンテナンスをしながら使っていただくと、より愛着をもって永くお使いいただけます。


 
ーー自分でメンテナンスできればそれだけ愛着もわき、何よりずっと綺麗な状態で使えるのは嬉しいですね。

メンテナンス方法を記載した説明書をお渡ししています。ご相談いただけたらレクチャーもしますので、お気軽にお話しいただけたらと思います。

ーーありがとうございます。
次のおすすめの作品を教えていただけますか?

次はこちらの一輪挿しです。


 
ーーこの一輪挿しを作ったきっかけを教えていただけますか?

大きい家具を作るとどうしても端材が出てしまうんですね。
端材の有効活用をしたくて小物を作るようになり、一輪挿しも作るようになりました。


 
ーー森井さん一番のオススメの一輪挿しを教えてください。

僕はこの丸い一輪挿しが気に入っています。
実は、一輪挿しを作る前までは、自分の生活の中に花を飾ること自体がありませんでした。
でも自分で一輪挿しを作るようになってから、花は「生活に彩りを与えてくれるもの」と意識変化が生まれましたね。


 
ーー小さいからか圧迫感もなく、部屋に花を飾りたい方にピッタリですね。
こちらのデザインのこだわりはありますか?

「どんな空間においてもさりげなくシンプルに」というコンセプトで制作しました。
メインは花なので花よりも目立つのは違うかなと。
花を引き立たせるための良い脇役です。

ーー確かにそうですね。個性的な形だと花の印象が薄れてしまいますよね。

あとは木目ですね。木目はそのままデザインになるんです。
形は同じでも木目はその一つしかありませんからね。そこに価値があると思います。


 
ーー端材をうまく利用してこのような作品を作るのは素敵ですね。

こちらの一輪挿しはキャビネットに置くとさらに絵になりますね。

ーー一つ花を飾るだけでも空間が華やかになりますよね。

僕も一輪挿しを作ることで気づけたので、今まで花を飾ったことのない方には、ぜひ一度体験して欲しいと思います。


 

ーー小物もオーダーすることができるのでしょうか?

小物も一個単位からオーダーできます。
今ですと、「マスクを置いておく箱が欲しい」ということで、マスクストッカーの注文が結構多いです。
他にアートフレームなどもオーダーでき、好みのサイズで製作することが可能です。

ーーオーダーの際、納期はどの程度でしょうか?

大体2ヶ月程度ですね。
オーダーのアイテムによって違いますので、メールや電話でお気軽にご相談いただけたらと思います。

【取材を受けていただいて森井さんから一言。】

ーー最後に、この記事の読者の方に一言いただけますでしょうか?

青梅に工房とギャラリーを構えています。観光スポットもいろいろありますし、工房も通り沿いに面していて駅からも近いので、お散歩がてらにフラッと遊びに来ていただけたら嬉しいです。ぜひお立ち寄りください。

森井さんありがとうございました!

 

BUTLER
〒198-0083
東京都青梅市本町150
TEL:0428-78-3592 
FAX:0428-78-3593

 

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