職人体験記

工房取材!『TIDAFIKA』吉村さんにインタビュー! 『前工房の想いを引き継ぐ新工房TIDAFIKA』

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「TIDAFIKA」工房訪問記
今回はTIDAFIKAを訪問し、吉村さんに色々なお話を聞いてきました!
2020年に工房を立ち上げたばかりという吉村さん。コロナウイルス流行の厳しい状況でもしっかりと考えを持ち、先を見据えた工房です。ぜひご覧ください。

工房を始めた理由、どんな想いで始めたのか

ーーいつから始めた工房なのでしょうか?

2020年の1月1日に始めたので、8ヶ月ほどになります。2019年12月までは「(株)ウッドユウライクカンパニー」という無垢家具の会社に勤めていました。


 
ーー独立しようと思ったきっかけはなんでしょうか?

ふとした時に「独立したいな」って言ったことがあって。その時は別に本心ではなかったのですが、それを聞いていた知り合いが「ウッドユーライクカンパニー」のOBの方が廃業されると教えてくれたことをきっかけに、独立しようと決めました。

ーーそれが今の工房ですか?

そうです。
知り合いから「この跡地で独立してはどうだろう?」と連絡が来ました。
僕はその工房が順調だったと聞いていたので廃業の知らせにビックリしたのですが、体調を崩されていたらしく、廃業せざるをえない状況だったようです。
僕も急に言われてすぐに答えは出せませんでしたので、一度見学に行くことになりました。

ーー確かに準備もなくいきなり言われても答えられませんね。
そのOBの方は面識がある方なのですか?

「(株)ウッドユウライクカンパニー」で働いている時から仕事のやりとりをしていて、飲み会などでお会いすることもあり、面識はありました。


 
ーーこちらの工房は綺麗で使いやすい間取りですよね。
工房を見学された際にすぐ独立を決められたのですか?

その時は「いったん考えてみる」と保留にしました。
やはり何の準備もない状態で独立するのはリスクが高く、すぐに返事はできませんでした。

ーー独立にはある程度の下準備は必要ですものね。

そうなんです。
機械の購入も必要だし、「現状では正直厳しい」と思っていました。
でも、「今ある機械はどうされるのですか?」など、話を聞いていたら「機械はあげるよ」と言ってくださって。
そのような話をしている矢先、そのOBの方が亡くなってしまったんです。
本当に驚きました。実は一年半くらい闘病生活を送っていらしたとのことでした。
体調が悪くても「お客さまに家具を作って届けたい」と、工房に来て製作されていました。
片付けよりお客さまの家具を作ることを優先させていたので、工房が荒れていました。


 
ーーその方の想いを背負って、今、工房をされているんですね。

そうですね。想いは感じています。
最初は「どうしようかな」と思ったし、断ることもできました。
ですが、僕が工房を引き継がないで解約するとなれば、原状回復費や機械を処分する費用がかかってしまう。僕が引き受けることで、残された奥さまやご家族の負担が少しでも楽になればと思ったのが決め手となりました。
もちろん大前提に「独立したい」という気持ちがあるからこそ考えられたことです。

ーー自分の思いだけを優先せず、ご家族のことまで考えられる吉村さんの人柄と優しさを感じます。

ただ、1ヶ月で独立を決めるのは本当に難易度が高く、超えないといけないハードルがたくさんありました。
最初は物件の交渉でした。工房を始めると決めたとき、まだ「(株)ウッドユウライクカンパニー」で働いていて、独立するまでには数ヶ月必要でした。
すぐに工房を始められないので、大家さんに交渉して「2020年の1月から」としていただけたので、安心しました。


 
ーー運命的ですね。いろいろな想いが重なって現在があると。
会社を辞めて独立する際は、急に決めたこともあり大変ではありませんでしたか?

僕自身、職場では下にスタッフがいるような立場だったので最初は嫌な顔をされました。
ただ、工房を残されたOBの方が「(株)ウッドユウライクカンパニー」の社長ととても仲が良かったんです。「工房を引き継いでやる」ということをお話しして、2019年いっぱいで退社することで話はまとまりました。
素人だった僕を9年間育ててくれた会社です。辞めた後も、恩返しのつもりで3月まではバイトとして働きました。独立して今があるのも、すべて会社のおかげです。

独立してすぐにコロナウイルスが流行。当時の心境、そして今後のこと

ーーまだ始められたばかりですが、独立して大変だったことはありますか?

予定としては、3月までにある程度やりたい目標がありました。でも、週4日程度で「(株)ウッドユウライクカンパニー」に行っていましたので家具製作の時間がなかなか取れず、焦りはありました。
もっと準備できると思っていましたが、なかなか上手くいかないものです。
そしてコロナウイルスが流行してしまい……


 
ーー独立されたタイミングでコロナウイルスの流行は厳しい状況ですね。

家具は、お客さまにお会いして実際に触れてもらって商品を説明します。
やはりきちんとお話しできることが大事だと思うんです。
ただ、それをするためにお店に来てもらうことが難しく、イベントも中止になってしまいました。
空いた時間で家具を作りながら、「どうしよう」と考えました。
妻とも相談しながらいろいろ考えた結果、自宅をオープンハウスにしてそこで家具を見てもらうことに。思い切って家を購入することに決めました。

ーー大きな決断ですね!奥さまも一緒に工房のことを考えてくれるのは嬉しいですね。

本当に感謝しています。
コロナが落ち着いてくるまでに、自宅をギャラリーとして実際の生活の中で家具を触ってもらえる空間を作れるようにと考えています。
今は、そのギャラリーを展開できるよう、家具を作っています。


 
ーーそこまで決めたら、もう進むだけですね。

そうですね。
今までは会社に属していたので、自分の自由に家具が作れませんでした。
でも今はフリーというメリットを活かして、自分の作りたいものを作ってお客さまに見せられるようにしたいですね。

ーーオープンハウスができたら私たちもぜひ伺いたいです。
たくさんのお客さまに足を運んでいただきたいですね。

今は少しずつイベントや交流会ができるようになってきたので、人に伝えられる場所や宣伝できる場所も増えて来ました。
「僕はここで家具屋さんをやっています」と、とにかくアピールして次に繋がるように一生懸命やっています。


 
ーーオープンハウスを作るにあたり、多様な家具製作をされていると思います。
吉村さんの家具のこだわりを教えていただけますか?

一番こだわっているのは、その人、その家庭にあった家具を作ることです。
愛着を持って一生使え、両親から子どもへ引き継がれていくような家具を目指して作っています。素材は無垢材にこだわっています。
デザインは「末長く使える家具」という点を重視して、シンプルなものが多いですね。
木材は使えば使うほど素材感や表情が変化するので、それも一緒に楽しんでもらえることが家具のこだわりにも繋がると思っています。
「ずっと使える家具」という部分に重きをおきつつ、「僕が作ったものだから買いたい」と思ってもらえたら嬉しいですね。


 

吉村さんオススメのTIDAFIKA作品を紹介

ーー次に吉村さんのオススメ作品を教えていただけますか?

まずご紹介したいのは、この絵本ラックです。
これは友人が「子どもと一緒に楽しめるカフェ」を経営していて、そのカフェとコラボレーションをさせてもらった作品です。


 
ーーどういう経緯で考えられたデザインですか?

子どもがいる空間は、絵本やおもちゃが散らばってしまうことが多いですよね。
だから、簡単に収納できて、適当に収納しても絵になるデザインを考えました。


 
ーー普通のブックシェルフに適当に収納したら乱雑に見えますものね。この形はどの角度から入れても絵になりますね。デザインはどうやって考えられたのですか?

デザインは、自分の中からなかなか生まれないので、街じゅうのいろいろなところを見て回り、ひらめきのタネを収集しました。
ほかには、角を丸く作って怪我のリスクを減らすデザインにするなど、子どもがいる空間で使うのでできるだけ安全な設計にしています。


 
ーー次のオススメ作品を教えていただけますか?

オーダーから始まった、こちらの小物をご紹介したいと思います。

 
ーーこれは一体……なんなのでしょうか?

これは骨壺です。


 
ーー骨壺ですか!?どういう経緯でオーダーを受けられたのですか?

お骨を「自分のすぐ手元に置いておきたい」という方がいらっしゃって、サイズ感や蓋をつけるなどのご要望をお聞きして作りました。
先日も「ペットのお骨を大事に取ってあった」というお客さまがいらっしゃって、「骨壺です」とお話ししたら、とても気に入っていただけて買っていかれました。


 
ーー素敵ですね。無垢材で作られた骨壺って温かみも感じます。

最近はペットを飼われている方が多く、そこにニーズがありました。
僕も心を込めて作っているので、ずっと大事にしてもらえたら嬉しいです。

ーーこちらのデザインのこだわりを教えていただけますか?

デザインは、ずっと置いていても違和感がなく飽きのこないシンプルさにこだわっています。
機能としては、蓋を持っても取れないよう、中にマグネットを仕込んでいます。
スポッと抜けない絶妙な硬さにした上で、安全面を考慮してマグネットをつけました。


 

読者のみなさまへ、吉村さんから一言

ーー最後に読者の方に一言お願いします。

「TIDAFIKA(ティダフィカ)」というお店の名前の意味は、「ディーダ」が沖縄で「太陽」、「フィーカ」がスウェーデンで「コーヒータイム」なんです。
「自宅で温かい時間と空間を」がコンセプトの屋号で、そのコンセプトを家具に込めて作っています。
まだまだスタートしたばかりの工房ですが、見かけたらぜひ気兼ねなく話しかけていただけたらと思います。家具の説明はもちろん、悩みなどもお聞きします。それがうまく繋がって僕の家具を使ってもらえたら嬉しいです。
これからオープンハウスもできますので、ぜひ遊びに来てください。


こちらはTIDAFIKA新作のキャットタワーです。

吉村さんありがとうございました!
 

TIDAFIKA
〒191−0014
東京都日野市大字上田472−1
月〜土 10:00〜17:00 (日曜日予約のみ)
050-3390-8571

 

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