「アオゾラカグシキ會社」店舗訪問記
今回はアオゾラカグシキ會社を訪問し、友繁さんにいろいろと聞いてきました!工房名も気になりますが、家具のお名前のセンスも抜群です。ぜひご覧ください!
今回は『アオゾラカグシキ會社』に訪問!
ギャラリー、工房はいつ頃から始められたんですか?
始めたのは8年前の2011年ですね。
今は清澄白河はギャラリー、武蔵村山市は工房と、それぞれ別の場所にしていますが、始めた頃は工房併設ギャラリーとしてやっていました。
独立を考えた時、もともと家具屋さんだった場所で倉庫みたいに広い物件を借りることができたので、そこで工房併設ギャラリーとして始めました。
もともと木工の仕事していて、それから独立されたのですか?
そうです。11年間『ウッドユウライクカンパニー』という家具会社で働いて、それから独立しました。
昭島市に工房がある、一人の職人が最初から最後まで家具を手掛ける会社でした。
家具の部品を作るのではなくひとつのものを完成させていましたので、制作技術が身につきました。
工房、ギャラリーを始めた時のこだわりを教えていただけますか?
最初に考えたのは会社名です。
株式会社からもじって、カグシキ會社。ダジャレですが「家具」という言葉を入れたいなと思って。
わかりやすくしたかったので、「ファニチャー」よりも「カグ」を使いました。
「アオゾラ」は「見上げるといつもそこにある身近なもの」というイメージで、「無垢の家具をオーダーすることがわかりやすく身近なものになるといいな」という思いです。
家具職人としてのこだわりを教えていただけますか?
社名への思いと同じで、「日常使いの延長で無垢家具を身近に置けるものに」という気持ちがあります。
使い勝手がいいというのは、イコールデザインがいいということだと思っています。
例えば、椅子なら座り心地を追求したものを。手に触れる部分は絶対に尖った部分を作りません。手触り、触り心地のいいものをと考えてデザインしています。
あとは、好みをオーダーできるので、ワクワクして楽しんでもらえたらいいなと。
購入するお客様に楽しんでもらえたら、作る側としても嬉しいですよね。
身近で使っていただいて、気に入ってもらえたら嬉しいですね。
1年間ほどは、武蔵村山市の工房だけでギャラリーを持たなかった時期があります。
ただ、家具の場合、工房だけですと、どうしても不具合修理やお客さまの相談を受け付けにくかったのです。
「それは僕のやりたいことではない」と思ってしまって。
ですから、お客さまとお話しができる場所としてもギャラリーは大事で、こだわっています。
ありがとうございます。友繁さんのオススメの作品を教えていただけますか?
オススメはベンチです。
お客さまが商品に迷っていらっしゃったら『お部屋にベンチはどうですか?』と言ってしまいます。
ベンチですか。それはどうしてですか?
ギャラリーに来店されるお客さまは、若いご夫婦や小さいお子さんがいるご家族が大多数です。そういう年代の方が、お父さんと子どもで並んで座る画がとても感動的なのです。
ベンチは置き場所も選びませんので、どこででも使っていただけます。普通にダイニングテーブルに合わせてもいい感じですよ。
すごく素敵です。ほかにどういう所にこだわって制作されていますか?
この座面の部分ですね。カンナの削り跡を残しています。
木目が綺麗に出て、見た目にも楽しいですよね。曲線に削ることで座った時に柔らかい感触になるんです。
なるほど。座った時の感触もよくなって、見た目にも表情がでるのですね。
そうなんですよ。木目が波打ってるような表情になるので、使っていてそれも楽しめます。
光にあてると、一際その表情がよく出ますね。
このベンチには名前が付いていて『風を待つベンチ』と言います。
素敵な名前ですね。これは来店してぜひ座ってほしい。
座われば、心から良さがわかると思います。
そうなんです。一度ぜひ座ってほしいと思っています。
かっこいい写真はホームページに掲載していますが、足を運んで触れていただくことで本当の良さをもっと実感していただけるかなと思います。
会社名と商品へのこだわり、デザインが一貫していますね。
ありがとうございます。
私はずっと「作ること」を続けてきました。もちろんまだまだ成長の段階ではありますが。
それを「売る」となったとき、お客さまに、買う楽しさや家具をオーダーするドキドキ、できあがりをワクワク待つ感じを楽しんでもらえたらと思うようになりました。
ありがとうございます。他にもオススメを紹介していただけますか?
それならこのスツールです。『冬のにじいろスツール』と言います。
また素敵な名前のスツールですね。
スタッキングができるスツールで、座面のファブリックが選べます。
単色もいいのですが、お客さまの個性や好きな色、お部屋の雰囲気でいろいろ選んでいただけたら嬉しいです。重ねた時にすごく綺麗ですよ。
本当ですね。すごく綺麗。確かに色を変えると楽しめそうですね。
オーダー家具というと「すごいものをオーダーしなくちゃ」と思う方も多いです。
でも、スツールなどはお手頃なので、取っ掛かりとしてもオススメ。
例えば、木材を選んで座面の色を決めるのも「オーダーする」ということ。
気軽に「スツール1個、買ってみようかな」と思ってもらえるととても嬉しいです。
デザインでこだわっている部分はありますか?
重ねるとわかりやすいのですが、幕板の部分を微妙に緩やかな曲線にしています。
脚と幕板の接合は『ホゾ組み』で、釘などを使わずスッキリとしています。それにとても丈夫です。
この部分の面積が広い方が強度が上がります。でも野暮ったい印象になってしまう。
そこで、緩やかな曲線を入れて、重ねやすさと綺麗なラインを作っています。
このファブリックのソファもすごくいいですね。
こちらの無垢の椅子もいいですが、ファブリックものは楽しいですよね。
部屋に違う表情がでます。
どちらもそれぞれに良さがあるので、お好みで選んでいただければ。
小物も揃っていて、インテリアとして使いやすく見ていて楽しいです。
今後やりたいこと、展望など教えていただけますか?
まずは、お客さまのご相談を受けてひとつひとつの家具をていねいにデザインし、お届けすること。お客さまのご要望にお応えできるよう、できるだけ引き出しを多く持てたらと思います。
もうひとつは、「取っ掛かり」を増やしたいと思っています。
無垢の家具の良さ、手軽さ、楽しさを、まだまだ多くの人に伝えられていないと感じています。ホームページを分かりやすくするなどして、無垢の家具をもっと身近に感じていただけるようにしたいですね。
最後にコラムの読者に一言よろしいでしょうか?
どうぞ「作っている人の顔が見える」ものを買ってみてください。
そういうお店でものを買うのは、とても楽しいですよ。
お互いに嬉しくなるので、ぜひ試しに、アオゾラカグシキ會社に来てみてください。
友繁さんありがとうございました!
アオゾラカグシキ會社
〒135-0024
東京都江東区清澄 3-10-4
TEL :03-3642-2470
letter@aozorakagu.com
Takuto Suzuki
Inte-code.inc所属のインテリアコーディネーター。1991年静岡県生まれ。北欧インテリアショップの販売職を経て、inte-codeで空間のコーディネートを行う。その経験をもとにインテリアショップ体験記の運営、取材を担当。
Yoshiaki Ogiwara
インテリアショップ体験記のカメラマン、編集、取材を担当。
アパレル業界で10年働いた後、現在インテリアの勉強をしながら独立に向けて日々精進中。