スイスの建築家であるピエール・ジャンヌレをご存知でしょうか?
ピエール・ジャンヌレは、スイスの建築家であり、コルビュジエとは9歳年下の従兄弟にあたります。同じコルビュジエ事務所のシャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand)とコルビュジエの3人合作で発表した”LCシリーズ”に代表される家具デザインで知られていますが、ル・コルビュジエの重要なパートナーとして、1922年からル・コルビュジエと事務所を共同で設立したことは意外と知られていません。専門的な建築知識を持ったジャンヌレは、特に技術面でコルビュジエを支えました。
2人の関係は非常に密で、1927年に入所したシャルロット・ペリアンの生前のインタビューの中で「ジャンヌレ無くしてはコルビュジエは存在せず、コルビュジエのいないジャンヌレはあり得ませんでした。しかし、歴史からジャンヌレはまったく消されてしまった」と語っているように、生涯コルビジュエの影を生きた言われています。
インド・チャンディガールの建築群ために、Pierre Jeanneret(ピエール・ジャンヌレ)がデザインした一連の家具が、世界中のオークションハウスで異例の高値で取引されています。チャンディガール建築群は、モダニズム建築の巨匠 Le Corbusier(ル・コルビュジェ)が中心となって1951年から手がけた都市計画によるもので、2016年には世界遺産にも登録されました。
Photo : Martien Mulder
チャンディガール都市計画で特筆すべきは、建築群だけではありません。建築内部で使われる家具もピエール・ジャンヌレによって、建築に共鳴するように新たにデザインされた点です。
チャンディガール以外でジャンヌレがデザインした家具として知られるのは、シャルロット・ペリアンと、ル・コルビュジエとの合作として連名で発表したLCシリーズ(現在はカッシーナ社が復刻しています)の家具が知られていますが、それ以外はあまり知られていません。
チャンディガールの家具に関して言えば、素材違いを含めると100種類以上に及ぶにもかかわらず、都市計画が始まって40年近く、コルビュジエの建築に注目が浴びることはあっても、チャンディガールの家具が世に知られる事はありませんでした。それどころか、現代的なプラスチック素材の椅子にとって替わられ、老朽化した木製の椅子は廃棄されてしまうのです。
それらを2000年代初頭からパリのいくつかのギャラリー買付・収集し始めました。彼等はそこから情報収拾と研究で年月を重ね、2010年から2015年にかけて立て続けにチャンディーガルの家具に関する作品集を出版し、展示会を行なったのです。彼等こそが、永い間、偉大すぎる建築家ル・コルビュジエの影の中にいたジャンヌレを、21世紀へと引き上げたのです。
そして2015年、インドの工房 Phantom Hands(ファントム・ハンズ)は、それらの家具を再編集するプロジェクトをスタートしました。
Photo : 51% Store
材料も当時と同じチーク材で、しかも築100年以上の建築の古材を製材して使用しているため、その古材がある限りでの限定生産となっている希少性にも注目です。
ちなみに、サカナクションの山口一郎さんもピエールジャンヌレのファンで自身のインスタグラムや様々なインタビューでもお目にかかる事があります。
羨ましい限りです。
復刻をしている商品はまだ販売をしているようなので是非、気になった方はチェックをしてみてはいかがでしょうか?
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