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Dara Collectionが語る最高峰のペルシャ絨毯「イスファハンのトップクラス工房とは」

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インテリアをコーディネートする上で欠かせないカーペットやラグ選び。ペルシャ絨毯の歴史や文化、基礎知識について語っていただいた前回に引き続き、第二弾は、ダラさんにおすすめのペルシャ絨毯と絨毯の選び方についてお話ししていただきました。

>>ダラさんとの対談記事はこちら

美しい色彩踊るシャハーブプール工房とは

ーーこちらのペルシャ絨毯は全体的に鳥や草木、花の柄がデザインされていますね。この絨毯の特徴を教えてください。

特徴としては、まず産地です。「イスファハン」という産地で作られた絨毯です。
ペルシャ絨毯は縦糸と横糸にパイルを絡めるパイル織りで作られます。縦糸と横糸、パイル糸の3つの糸にはそれぞれ特徴を生かした素材が使われる事が一般的です。
イスファハン産の特徴のひとつとして、縦糸はシルクを、縦糸と横糸に絡める「結び」にはウールを使用しています。
縦糸のシルク糸が細いので、縦糸がコットンの普通のウールの絨毯よりも、もっと緻密に表現できます。そのため美しく高価な絨毯が多く存在します。

ーー結びが細かくなると絨毯の表情が豊かになるということですね。

その通りです。そのため、「パラダイスデザイン(花鳥文様)」と呼ばれるこの鳥や花がウールの絨毯でも細かく表現できています。絨毯の裏をルーペで確認していただくと、ひとつひとつがどれくらい細かく結んであるかが分かると思います。

ーーペルシャ絨毯の結びの細かさが、購入時に検討するポイントになるということでしょうか?

そうですね。細かく織り上げているものほど時間が掛かっていると言えます。
あとは職人さんの腕ですね。細かく表現するには職人の腕も必要です。細やかさは絨毯が貴重なものであることのバロメーターのひとつになります。あとはどこの工房で作られたかということですね。こちらはシャハーブプール工房で作られました。

ーーシャハーバプール工房は、絨毯業界では有名な工房ですか?

そうですね。イスファハンを代表する工房です。
有名なペルシャ絨毯の産地は、イスファハン、タブリーズ、カシャーン、ナインやケルマンあとシルクのクムなどです。
他にもありますが、中でもイスファハンの産地はとても有名で随一の品質を誇ります。
イスファハンの工房ですと、シャハーブプール工房、ハギーギ工房、あとはセラフィアン工房が世界的に有名です。

ーー世界的にファンの方も多くいらっしゃるのですか?

シャハーブプールさんは1940年生まれの現代ペルシャ絨毯の世界を代表する巨匠のひとりです。彼の作品はとても美しい絨毯として人気が高く多くのファン層を海外で獲得しています。聞いた話では、あのマイケル・ジャクソンもシャハーブプール工房のファンのようですよ。

素晴らしい絨毯の愉しみ方と出会い方

ーー絨毯をより専門的に選ぶ時は、産地、工房、工房の中のいつの時代か、誰が織ったかがポイントになるということでしょうか?

そうですね。
この落ち着いた色のトーンを見てください。シャハーブプール工房のもうひとつの特徴です。草木染の染色方法を昔から、伝統的なものをずっと継承して守りながらやっている工房なのです。
染色にかなり特化している部分もありますね。そのため、こういった落ち着いた色彩やトーンの絨毯に仕上がっています。

ーーこの独特の色合いに惚れてしまう人が多いかもしれないですね。

ペルシャ絨毯は百年経ってアンティークになっていくと、さらに落ち着いた色合いになっていく特徴があります。
この絨毯なら、ベージュとアイボリーのベースにグリーンの葉や草木が多くあり、華やかな花のデザインが彩る構図です。
イスファハン産の絨毯はブルーの染色が特に有名です。私も個人的にブルーがすごく綺麗だなと思います。

ーー色彩的な美しさも、ペルシャ絨毯の楽しみ方のひとつですね。

世界を魅了するハギーギー工房のデザイン

ーー他の絨毯もご紹介いただけますでしょうか?

こちらの絨毯もイスファハンの町で織られた、縦糸がシルクで結びがウールの緻密な絨毯です。工房名はハギーギー工房といいます。
モスクの中のタイルを、そのまま絨毯に投影したようなデザインで、ひとつひとつ区切られたデザインです。それに鳳凰のような鳥の文様を加えています。

ーーとても立体的で、本物の建物を再現したような絨毯ですね。

本当に細かい表現ですよね。タイルのひとつひとつで違いを出しています。ひとつのタイルとその横のタイルではブルーの色を変えて…タイルをひとつずつ細かく表現している本当にとても珍しい絨毯です。
ペルシャ、イランを語る上で、建築技術の発展と新たなデザインの創造は欠かせません。
イランは絨毯のほか伝統的な文化として建築にも力を入れています。建築様式のひとつのデザインを絨毯におろしてきた、イランの伝統的な建築文化と絨毯を融合した一枚です。

ーーそれはすごい。ペルシャ絨毯のデザインは伝統的な建築までもが投影されているのですね。

こちらのハギーギ工房は、フェイゾラ・ハギーギーさんが代表をされていました。
イランを代表するとても素晴らしい絨毯職人でしたが、残念ながら今年亡くなりました。
ハギーギ工房の中でも、フェイゾラ・ハギーギーさんの絨毯は、今後は二度と出てこないのです。

価値が上がり続けるペルシャ絨毯がある

ーー今後出てこなくなるデザインのラグは価値が上がるのでしょうか?

はい。こういう一点ものの世界では、ひとつの要因にはなります。
各有名工房では、子や孫の世代まで絨毯製作が継承されていることがあります。工房独自のアイデンティティやこだわりは工房の文化として継承されていきます。でも、作風や技術は世代ごとの変化が見られます。ハギーギ工房の中では、フェイゾラさんの時代が一番クオリティーが高いと評価されています。
フェイゾラさんの作品は「F」とサインが入っています。
イスファハン、いやイラン全土の中でも、本当にトップを飾れる絨毯のひとつでしょう。

ーー先程の絨毯は、デザインが控えめで色がすごく落ち着きがあって味のある一枚でした。本当にインパクトがあって圧倒されますね。

近視的に見てもタイルを感じることができますが、離れて見た時に、デザインの奥行きみたいなものを感じますよね。
ミスが許されない設計図のようなデザイン性ともいえます。個々のタイルの端がひとつずれるだけでも大きく印象が変わってしまいます。細かくミスがないように織り上げた素晴らしい作品です。

ーーペルシャ絨毯には織り上げる際に設計図があるのでしょうか?

そうですね。町の工房で製作されているものにはデザイン画があります。地方の田舎の産地や、遊牧民の絨毯は伝統的な紋様を織るため個別のデザイン画はありません。
それを基に職人さん、織り子さんが織りあげていきます。幅によって違いはありますが、織機を置いた幅で、大体70~80センチにひとりの職人さんが織り上げを担当します。1メートル幅ぐらいの絨毯であればひとりの職人さんが製作しますが、大きなサイズになると3人以上の職人さんが携わります。

ーーそれだけ多くの人の手が掛かっていても相当な時間がかかるのでしょうか?

サイズによりますが、大きなものだと数年掛けて1枚を作っていきます。
そのため、職人さんの腕や高い技術に応じた人件費もかかります。
「ペルシャ絨毯はなぜ高いの?」とよく聞かれますが、その要因のひとつとして、職人さんの技術料と労力、そして織り上げるのに長い時間がかかっていることが挙げられます。

ーー絨毯の製作背景や歴史を知ると、ペルシャ絨毯がさらに素敵に見えてきます。

どのペルシャ絨毯を選んでも自慢の1枚になりますよ。
これからコレクターになる方には、ハギーギーさんをぜひおすすめしたいですね。
最初にたくさん見過ぎたり、知識を入れすぎたりすると、自分の本当の一枚に出会いづらいとも言われますが、私はむしろ素敵な工房作品をたくさん見てほしいですね。

「この種類のペルシャラグを揃えていこう」「ここに何を敷こう?」「この部屋にはこの絨毯を合わせてみたい」と、たくさん想像して楽しんでほしいです。とても面白いですよ。
例えば「この部屋だとブルーがいいなぁ。だったら、ブルーで有名なイスファハンから見ていこうかな」とか。勿論他の産地でもブルーの絨毯はありますが。
そういった探求していっても面白いですね。好きな1枚に出会えて思い入れも深まります。

ーー今回はダラさんに2枚の素敵なペルシャ絨毯と、絨毯の選び方をお話ししていただきました。とても楽しいお話ありがとうございました。

ありがとうございました。
カーペットやラグはお部屋にアクセントをつけてくれます。
これからペルシャ絨毯と出会うみなさんの参考になればと思います。

ダラコレクションの絨毯を愉しめる展示会が開催されます

「京都人のためのペルシャ絨毯展」
2020年11月17日〜11月22日
アートスペース余花庵にて開催
〒604-0925 京都府京都市中京区寺町通御池上ル上本能寺前町475(京都市役所西側)

SHOP NAME DaraCollection(ダラコレクション)
TEL TEL 075-691-0311 (見学予約)
FAX 075-691-0499
ADDRESS 京都市南区上鳥羽卯の花町72-2東洋倉庫ビジネスビル2F
ACCESS 近鉄,地下鉄竹田駅より徒歩12分、近鉄上鳥羽口駅より徒歩12分
OPEN 平日の10:00から17:00 / ご希望により、土・日も対応しています。
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